【最新シマノ105】Di2と機械式の選び方!走り・メンテ・価格で徹底比較

シマノのロードバイクコンポーネントの中核を担う「105」。2022年には電動式変速(Di2)が登場し12速化へと進化し、昨年2023年には12速の機械式変速がリリースされたばかり。
どちらもホビーユーザーにとって見逃せない選択肢になる最新の105ですが、どちらをどう選べばよいのでしょう?
105のDi2と機械式を、まず基本からおさらいし、「①走り」「②メンテナンス」「③価格」の3項目で徹底比較します。
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目次
ロードバイクのコンポーネントって? 105ってなに?

まずはじめにロードバイクのコンポーネントとは何なのか? さらにシマノ・105とはどんなコンポーネントなのかを知っておきましょう。
解説してくれるのはビアンキバイクストア柏の葉の久保田店長です。

教えてくれる人
ビアンキバイクストア柏の葉
店長:久保田 正勝 さん
コンポーネントとは、変速機やブレーキといった駆動系パーツの総称です。走りを操作するためのシステム全体を指しています。
シマノのコンポーネントにはいくつかグレードがあって、今回の「105」は上から3番目のグレードにあたります。
上位グレードの最新機能を受け継いでいるので、最新の105は変速段数が12速、そして電動式変速(Di2)へと進化しています。そこに従来の機械式変速も加わり、よりたくさんの人がスポーツバイクを楽しめるように、シマノがコストパフォーマンスを重視して作っているグレードです。

Image: Shimano
特筆すべきは、105だけの特徴である「12速コンポーネントで電動式(Di2)と機械式が選べる」点ですね。
105だけが電動式(Di2)と機械式を選べる
そこからさらに、最新の105として機械式がリリースされました。電動で変速するDi2に対し、従来のワイヤーを使って変速機を操作するタイプです。
12速かつ機械式というのは、むしろデュラエース、アルテグラにはない特徴ですので、機械式が好きな人には最高の選択肢になりますね。

Image: Shimano
FRAME編集部員が徹底比較!Di2と機械式のココがスゴイ
ここからは最新の105(12速)のDi2/機械式について、それぞれの特徴とメリット・デメリット、適した選び方をFRAME編集部員が比較します。
実際に試してみるのはFRAMEchannelでおなじみのこのふたり。

ふたりの「推し105」は……
- 自転車技師でメンテナンスに強いおかだくんは「機械式派」
- レースにも出場する走りに強いばっしーは「Di2派」
「機械式派」と「Di2派」に分かれ、それぞれの目線から最新の105をチェック!①走り、②メンテナンス、③価格の3点から比較します。
比較1:走り
何より走ってみないことには! ということで、実際に乗ってチェックしてみます。機械式派のおかだくんとDi2派のばっしー、それぞれどう感じるのでしょうか?

まずはばっしーの推しコンポ、「Di2」から試してみます。
Di2:フロント変速の軽さが際立つ!シンクロナイズドシフトも便利
普段は機械式派のおかだくんですが、この日Di2で走り出すとさっそく歓喜の声が。
うわっ、軽い! 変速が軽い! Di2って音もいいよね。テンション上がるわ、気持ちいい! スピード出しちゃうぞー。
やっぱりDi2、いいですよね。スイッチ押すだけで変速がバシッと決まるのは本当にラク。ところで機械式派のおかださん、チェーンの「たすき掛け」って、気になりません?


Di2だと、後ろのギアを軽くすると、前のギアが勝手に変わってくれるんですよ。
入ってる! 勝手にフロント変速してくれてるぅ♪ これ、ギアの使い方に慣れていない初心者ライダーも助かるよね。
そうなんですよ。推奨されていないたすき掛けを気にしなくていいのはもちろん、フロント変速はDi2にお任せできちゃう。むしろ初心者の人にこそおすすめの機能だったりしますね。重くするときも同様で、後ろを重くしていったら、フロントは勝手に重くなります。
実質、右手だけで操作が完結しちゃうってわけか。これはDi2ならではのメリットだね。あとはなんといってもフロント変速の軽さに感動ですよ!
でしょう? 手元の操作もスイッチひとつだから手の負担が本当に少ないんですよ。
機械式派なんだけど、ロングを走るときは僕もDi2のほうがいいなぁ。ストロークが短くて、押し込む感覚が一切ないから、手が疲れにくい。


Image: Shimano
機械式:最新の105は引きの軽さに驚く!
ここからは機械式の105に乗り換えてチェック! Di2の良さを体感して興奮気味のおかだくんですが、もともとは機械式派。アピールしたいことが山ほどありそうですよ。
Di2はたしかに最高! でもね、やっぱり操作している感じというか、意のままに操れるのは機械式なんだよね。
実際に使ってみて初めて感じますけど、機械式でも最新の105だと変速がものすごい軽いですね! 僕は前世代の105も使ってますけど、インナーからアウター(軽いギア→重いギア)への変速の軽さが全然違うじゃないですか。
でしょー? 進化を感じるよね、前世代のハイエンドを超えてるかも。しかも12速だからね。いま、この105が機械式の最高峰ってことになるよね。

Image: Shimano
それから僕、何よりも自転車は気楽であるべきだと思っているんですよ。たとえば今日乗りに行こうかなってときに、Di2だと充電しなきゃとかなるじゃない?
まぁ一回の充電で1000kmもちますから気にする頻度はかなり少ないですけど、そこは電気モノですからね。充電は必要です。
自転車がそこにあって、「空気は入っているな、よし、乗り出そう」っていう気楽さは機械式の良さなんだよ。
あとはやっぱり操作している楽しさ。機械式ならワイヤーの張り加減をダイレクトに手で感じられるから、たとえば激坂を上っているときにトルクを考えながら操作したりね。
たしかに「操る楽しさ」ってありますよね。しかも実際乗ってみると、ワイヤーが中に入っているのに、こんなに変速が軽いのかと驚きました。
引きがとにかく軽いよね、いままで使ってきた機械式変速の中でも、ダントツに軽いわ。


Image: Shimano

比較2:メンテナンス
ここからはメンテナンスのしやすさを比較してみます。自転車技師のおかだくんに並ぶべく、ばっしーは久保田店長にバトンタッチ。
まずはDi2のメンテナンス性からチェックしていきましょう。
Di2:ユーザーレベルではメンテナンスフリー
Di2のメンテナンスって、実際のところどうなんですか?
最初のセッティングが決まってしまえば、基本的にはいじるところはないですね。充電の管理と、ショップで定期チェックをうけてもらえればOKです。
お〜、最初だけ! そっか、機械式だとワイヤーの伸びとかサビとかが出てきますけど、Di2はそもそもワイヤーで引いているわけではないから心配いらないわけですね。変速はズレてこないんですか?
変速のズレに関しても、Di2は電子による制御ですから心配無用です。ユーザーレベルでいうと、変速に関するメンテナンスはフリーといっていいですね。
Di2だと気になるのが出先でのトラブルです。変速が急に動かなくなったりなど、トラブルがあった場合の復旧は難しいですか?
そうですね、エレクトリックケーブルが内蔵されている分、その場でパパッと治すことは難しいかもしれません。ここは唯一の弱点ですかね。
やっぱりそうかー、でもそれはクルマとか他の乗り物でも同じですもんね。最後に、走行中に充電が切れちゃった場合はどうなりますか?
充電が切れると変速の操作はできなくなります。ただ、Di2のメインバッテリーは一回の充電で約1,000kmを走破できるとされていますし、バッテリーの残量もちゃんと目視できるようになっています。
そもそも動かなくなるのは変速だけで、走れなくなるわけじゃないですからね。
充電が切れたときのギアでシングルスピード化するイメージですね。普通に走行はできるわけだから、気合で走りきれるでしょう!(笑)
機械式:出先のトラブル対応がしやすい
続いて機械式のメンテナンス性能をチェックします。ここでもおかだくんの熱い想いが炸裂!
ここからは機械式派の僕が語ります! メンテナンス面での機械式のメリットは、調整がしやすいこと。ワイヤーってどうしても伸びてしまったり、サビついてしまったり、使っていると変化してきてしまうんですが、そういうときも調整がパッと手軽にできる。
工具を使うのが苦手な僕でもできますかね?
やり方さえ知っていれば、出先であっても簡単に対応できます。ワイヤーのちょっとした引き量なら工具なしでも直せるからね。
なるほど。遠方で困ったときとか、機械式のほうが街の自転車屋さんで対応してもらいやすいですかね。
そうだね。機械式は昔からの仕組みで作られているから、技術面で扱えないお店はあまりないんじゃないかな。出先で何かあったときでも自分でなんとかしたいという人には、機械式が合っていますよ。
機械式はワイヤーが伸びたり、サビたり、曲がったり、物理的な現象が変速性能に影響を及ぼすのは事実。自転車を組むときだって、ワイヤーのルーティングによる曲がりや、差したときの遊びなんかもシフトフィールに結構影響が出ます。でもそこがいいところでもある! いじる楽しみは半端ないから。だから技師になったんだ俺は(笑)
逆に機械いじりが苦手な人でも、定期メンテナンスや年に一度のオーバーホールでショップにきちんとお任せしていれば安心ですしね。
そうそう、誰でも最初は何もわからないし、性能や安全面に関わることだから、プロの人に見てもらったほうがいいね。
比較3:価格
105の機械式とDi2を、「走り」「メンテナンス」と比較してきました。最後は価格をチェック!
さ、ここはもうズバリ言ってしまいましょう。まずは105・12速・機械式のお値段、フルセットで13万106円*1!
105・12速・Di2のお値段は21万2947円*2です。
*1.2 セット内容によって価格は変動します。今回のセット内容は後述。
差額はだいたい8万円ってところかー。
まぁそこはアナログとデジタルの差なので。性能でみても両者とも納得の価格ですよね。どちらもとにかく変速が軽いし、進化がすごい。
本当にそう! 進化がすごかった。とはいえ、Di2はコンポだけで20万越えとなると、なかなかポンと買えるものじゃないよね。
フレームから組む「バラ完」を考えると、ハイグレードコンポを載せたい方にとっては、性能と価格のいい折り合いがつくポイントが機械式だと思います。
Di2も上を見たらデュラエース、アルテグラと続きますが、Di2をいちばん手頃に買えるのは105ですからね。この選択肢があるのはありがたいですよ。
双方の良さがあるので自分の乗り方にあわせて選べばいいんだけど、どちらも本当に満足できる。実際に乗ってみて、最新のコンポってこんなにシフトフィールが良くなるんだって実感したもん。
進化に見合う価格だと思いますね。

*)フルセット内容
【新型105 Di2 R7150/R7170 初回キット】
STIレバー | ST-R7170 Di2 ハイドローリック ワイヤレス |
フロントディレイラー | FD-R7150-F Di2 直付 |
リアディレイラー | RD-R7150 Di2 12s SHADOW ワイヤレス |
ブレーキ | BR-R7170 F&R J-kit仕様※ホース付(右前1000/左後1700mm) |
ローター | SM-RT70 160mm/140mm(内セレーション) |
クランクセット | FC-R7100 170mm 50x34T |
カセットスプロケット | CS-R7100 11-34T 12s |
バッテリー | BT-DN300 内蔵式バッテリー |
チェーン | CN-M7100 116L クイックリンク |
その他 | ・EW-SD300 900mm エレクトリックワイヤー・EW-SD300 1200mm エレクトリックワイヤー・EW-EC300 充電コネクター(長さ1.7m) |
【新型105 R7100 機械式シフト 初回キット】
STIレバー | ST-R7120 ハイドローリック |
フロントディレイラー | FD-R7100 直付 |
リアディレイラー | RD-R7100 ダイレクトマウント対応 |
ブレーキ | BR-R7170 F&R J-kit仕様※ホース付(右前1000/左後1700mm) |
ローター | SM-RT70 160mm/140mm(内セレーション) |
クランクセット | FC-R7100 170mm 50x34T or 52x36T |
カセットスプロケット | CS-R7101 11-34T 12s ※ |
チェーン | CN-M7100 116L クイックリンク |
最新の105はどっちもイイ! 自分にピッタリのタイプを選べる
今回は新型シマノ・105のDi2と機械式を比較するため、「走り」「メンテナンス」「価格」と3項目を検証しました。
僕はDi2派でしたが、やっぱり電動変速の良さを実感するとともに機械式の進化に驚きました。使ってみて軽さがよくわかった、感動しました!
僕はやっぱり機械式が好きだしメリットを感じるけど、Di2に乗るとめちゃくちゃラクだなっていうのも素直な感想ですね。とはいえ先立つものがないと始まらないから、最新の105で機械式の選択肢があるのはユーザー目線で本当にありがたい!
コンポの予算を抑えてフレームにお金をかけるっていうのもひとつの選び方ですよね。
そうだね、のちのちグレードアップさせていくっていう観点もあるよね。Di2だって、これまでデュラエース・アルテグラの特権だった最新機能が、105で選べるようになったのも大きな進化だよ。「みんなの105」健在だわ。
最新の電動変速が手に入れられるDi2と、操る楽しみがあり手頃な価格が魅力の機械式。欲しい機能や乗り方、そして価格の折り合いも含めて選ぶことが大事です。
さあ、あなたならどっちを選ぶ?
>> 動画で見たいならこちらから
First draft by Toshiyuki Masubuchi
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WRITTEN BYFRAME編集部
FRAME編集部はロードバイク、MTB、ミニベロ、トライアスリートなど、全員が自転車乗りのメンバーで構成されています。メンテナンスなど役立つ情報から、サイクリングのおすすめのスポット情報、ロードレースの観戦まで、自転車をもっと楽しくするライフスタイル情報をお届けします。 https://frm.media/apps/mg/